手術看護認定看護師とは
役割
認定看護師は特定の看護分野において、以下の3つの役割を果たします。
個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
期待される能力
1. 手術療法を受ける患者及び家族の身体的・心理的・社会的状況を多角的に捉え、高い臨床推論力・病態判断力に基づき、患者に起こりうる事態を予測した先見性のある実践を行うことができる。
2. 患者に加わる手術侵襲を多角的に捉え、高い臨床推論力・病態判断力に基づき、手術を受ける患者の手術侵襲及びそれによって引き起こされる苦痛を最小限に留め、回復を指向した実践ができる。
3. 手術中の患者の急変及び緊急事態が発生した場合には、高い臨床推論力・病態判断力に基づき、迅速かつ適切な実践ができる。
4. 手術に関連するあらゆるリスクを回避するために多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとしての役割を果たすことができる。
5. 手術が必要とされた時期から術後急性期にある患者及び家族の権利を擁護し、意思決定を尊重した看護を実践できる。
6. 手術看護分野において、看護職等からの相談に対して相談者が自らの力で解決の方向を見出せるようコンサルテーションができる。
7. 手術看護の実践を通して役割モデルを示し、看護職者へ指導ができる。
コアとなる知識・技術
1. 手術が必要とされた時期から術後急性期にある患者及び家族に対して、身体的・心理的・社会的状況を多角的に捉えるための知識・技術
2. 手術療法を受ける患者に対して、手術侵襲及びそれによって引き起こされる苦痛を最小限に留めるための知識・技術
3. 手術中の患者の急変及び緊急事態に迅速に対応するための知識・技術
4. 多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとしてあらゆるリスクを回避するための知識・技術
5. 手術が必要とされた時期から術後急性期にある患者及び家族の権利を擁護し、意思決定を支えるための知識・技術
6. 身体所見から病態を判断し、経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整ができる知識・技術
7. 身体所見から病態を判断し、侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術
8. 身体所見から病態を判断し、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保ができる知識・技術
9. 身体所見から病態を判断し、硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整ができる知識・技術
10. 身体所見から病態を判断し、持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整ができる知識・技術
手術看護認定看護師になるには
日本看護協会が毎年1回実施している認定看護師認定審査に合格し、登録手続きを行うことが必要です。
資格の有効期間は5年です。
この審査の受験資格は以下の通り1~3の項目をすべて満たしていることが必要です。
1 .日本国の看護師免許を有すること。
2 .看護師免許を取得後、通算5年以上の実務研修を受けており、そのうち通算3年以上は特定の認定看護分野における実務研修であること。
3 .A課程認定看護師教育機関若しくはB課程認定看護師教育機関、または外国においてそれらと同等と認められる教育を修了していること。